価値観を疑う (1) 継続すること → 変化すること

by Ken Murata

性格的に、わりと何でも疑ってかかるクセがある。「当たり前」とされていることには、つい「本当にそうか?」と問い直したくなる。最近、正しい・良い・守るべきとされてきた「価値観」に、本当にそうかな?と思うことがいろいろありまして、それを少しずつここに書き留めていこうと思います(たぶんシリーズ化されるのでは)。つたない考察や、間違いもあるだろうけど、でもそれがブログというものでしょ?

自分は昨年末に会社を退任するまで、23年間代表取締役を務めました。それについては「20年以上続けるなんてすごいですね!」と、お褒めの言葉をいただくことも多く、もちろん素直にそう言ってもらえるのは嬉しい。でも、今の自分の正直な気持ちとしては、会社が継続した年数には特に価値を感じてない。たしかに、企業が20年以上生き残る確率わずかだと言われるけど、だからといって、それは(特に現在において)そんなに偉いことなのだろうか。大事なのは、「どれだけ続いたか」ではなくて、「何を成し遂げたか」ただ、それだけ。そりゃまあ23年間で、自分が成し遂げられたこともいくつかあるとは思ってるよ。でも、できなかったこと、後悔していることのほうがやっぱり多い。まあでもそれはただ自分の力が足りないにすぎないんだけど。

ところで、この変化の激しい時代において、「継続」や「安定」を重視するのはとても危ういと思う。「会社を潰さないように続ける」「社員を路頭に迷わせないように雇用を守る」というのはもちろん重要なこと。でも、その「守る」姿勢が強くなりすぎると、「変化」できなくなってしまう。そして変化が遅れた結果、もっと大きな問題が起こる。取り返しのつかないことになっちゃう。

最近、選挙が近いこともあって、日本の未来や社会の在り方について自分なりに考えてみたりしてる。よく言われる「手取りを増やす」「給与を上げる」・・・しかもその方法が消費税削減とか現金給付では、なんら明るい未来に繋がる気がしない。

一番大切ではないかと思うのは、変化を促すこと。そして、変化を妨げる要因をできるだけ減らすこと。自分の会社のこととか考えてみると、思い当たるところ、あるんじゃない?「うちの会社って古いよな〜」とか「やろうとしてもできないんだよな〜」みたいな。いちおう口ではみんな変わる変わると言うけど、その程度じゃダメなんだよなあ、もっと根本的に変えないと。(人数を半分にするとか職種の割合をガラッと変えるとか狙うマーケットをガラッと変えるとか商品ラインナップを全部入れ替えるとか、そういうイメージ)

とくに中小企業(大企業も)にとって、変化こそが生き残りの鍵。少子高齢化が進み、国内マーケットが縮小していく中で、いかに柔軟に、時代の流れに遅れず、進化していけるか。それがなければ、賃金アップも経済成長もあり得ないだろう。政策もとにかく「変化を促すこと・変化を妨げる要因をできるだけ減らすこと」であってもらいたい。まあ、そもそも政治や選挙制度が全然変化できないからしょうがないんだけど、てへ。いやてへ、と笑っている場合ではないのでは?

自分としては、不満や怒りを通り越して、怖い。

※大胆なこと書いたつもりだったけど、読み返したら当たり前のことだった。怖い。

You may also like